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叡山電鉄 (叡電)
叡山電鉄(叡電)の走行音録音(鉄道サウンド)です。

 京都の観光地は数々ありますが、東側の比叡山や鞍馬へと向かうのが「叡山電鉄」です。
 ターミナルの出町柳駅は京都市電廃止後、長らく他の鉄軌道路線と連絡が無く孤立していた状態でしたが、京阪本線の実質延長線となる京阪鴨東線が出町柳まで開通し利便性が向上したことから、乗客数も回復する程になりました。

 路線は、京都電灯叡山電車部を起源とする「叡山本線」と、京都電灯の子会社だった鞍馬電気鉄道を起源とする「鞍馬線」の2路線あり、実質は両者一体の運営がなされ、戦時統合により京福電気鉄道の運営となっていたものです。
 長らく京福の一部門でしたが1985年に分社化。2003年には京阪電鉄の完全子会社となっています。

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 略称は「叡電(eiden)」で、かつての「叡山電車部」が由来と思われますが、京福時代も嵐山線の略称「嵐電(randen)」に対し「叡電」と呼ばれ続けており、分社化で「文字通り」となったものです。
 鞍馬線は末端部に最大50パーミルの勾配があり、京都市内の鉄道で最大勾配を誇る山岳路線ですが、叡山本線はそれに比べると勾配は緩いものの、末端の区間では比叡山の裾を登る33.3パーミルの勾配が長く続く路線です。

 車両は15m級の小形車で、鞍馬線の急勾配対策で釣掛時代から鞍馬線に運用される車両には電気ブレーキを装備。国内の鉄道線では最後のポール集電だったこともあり、ポールを上げた古風な電車がうなりを上げて登り降りしていました。
叡山電鉄デオ800系 叡山電鉄デオ800形.

叡山電鉄の主力車両で,主に鞍馬直通列車に用いられる.

撮影:TH
2001年3月29日 鞍馬駅
(画像修正調整済)
叡山電鉄デナ21 叡山電鉄デナ21号の前頭部.

デナ21形は鞍馬電気鉄道の開業時に,京都電灯叡山電車部デナ121形と共通設計で作られた.
窓の上部隅が曲線で構成された古風で優雅な姿が特徴で,長く叡電の「顔」でもあった.
現在は鞍馬駅前に前頭部と車輪が保存されている.

撮影:TH
2001年3月29日 鞍馬駅前
(画像修正調整済)

叡山電鉄鞍馬駅 叡山電鉄鞍馬駅.

古風な木造建築の駅舎で,1989年に改築されている.

撮影:TH 2001年3月29日
(画像調整済)
叡山電鉄鞍馬駅 駅舎内 叡山電鉄鞍馬駅待合室.

撮影当時,照明は蛍光灯であったが,現在は電球式装飾灯具に交換されている.

撮影:TH 2001年3月29日
(画像調整済)


叡山電鉄デオ720形
八瀬遊園駅(現・八瀬比叡山口駅)に停車中のデオ721号.

京都電灯による観光開発の一環で,付近には遊園地もあったため「八瀬遊園」の駅名となっていたもの.
開業以来の駅舎とドーム形屋根を堅持しており,駅の周囲は静かな観光地となっている.

撮影:TH 2001年3月29日
八瀬遊園(現・八瀬比叡山口)駅
(画像調整済)
叡山電鉄(叡電) デオ720形 デオ721号
出町柳-八瀬遊園(現・八瀬比叡山口) 往復 2001年3月29日録音 約27分

録音・編集・プロデュース/TH 2012年編集作品 2020年調整版
©TH


叡山電鉄デオ720形
叡山電鉄デオ720形.

デオ200形の機器流用により製造.
撮影当時はオリジナル塗装だったが現在では新塗装となっており,デオ700系全体で2両毎計4種類の塗装となっている.

撮影:TH 2001年3月29日
出町柳駅
(画像修正調整済)
叡山電鉄(叡電) デオ720形 デオ722号
出町柳-二軒茶屋 2001年3月29日録音 約19分

録音・編集・プロデュース/TH 2012年編集作品 2020年調整版 2013年法改正対応版
©TH


 叡山電鉄の録音から、デオ700系デオ720形の録音です。

 デオ700系は、単行ワンマン運転用として旧形車からの部品流用等により、デオ710形,デオ720形,デオ730形の3形式が起こされ、そのうちデオ200形から部品の流用を受けたのがデオ720形です。

 元となったデオ200形は将来の京阪線直通を考慮して作られたもので、釣掛駆動車ながらも叡電では比較的高出力・高性能な車両だったのですが装備が多く重たくなり、加えて登場当時は集電装置がトロリーポールだったこともあって、叡電ではなかなかその性能を発揮することができずにありました。
 後にパンタグラフ化したものの他系列と比較すると扱い難いこともあり、デオ720形へと部品が流用されたものです。

 さて、京阪線直通を目論んでいたこともあるせいか、主電動機は叡電では比較的高出力な三菱電機の標準軌向け125馬力級のMB-115-AF※が用いられています。

※600V 75kW。750Vの場合は93.3kW (いずれも1時間定格)。

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 首都圏では京急230形に用いられていたモデルで、後に琴電に譲渡された際は、その性能から台車ごと元阪神の車体と組み合わされて琴平線で主力となるほどでした。

 2002年の琴電収録の際、車齢順に追いかけて行ったこともあってMB-115-AF装備車の収録は時間の関係で間に合わず、MB-115-AF装備車の録音はもう出来ないだろうと思っていたのですが、後でデオ720形の詳細を調べると主電動機がMB-115-AFと判り、図らずしもMB-115-AF装備車の録音が出来ていた次第です。

 収録当時、デオ700系のうちデオ710形は既に元阪神の主電動機と新製カルダン台車で、デオ730形は当初より元京阪のカルダン台車でカルダン駆動化されており、デオ600形が完全に予備となっていたことからデオ720形が叡電で唯一定期運転に投じられる釣掛駆動車でした。
 とにかく釣掛駆動車のある叡電も録音しようと大した下調べもせずに行ったのですが、運良くデオ720形が運用に入っており、叡山本線と鞍馬線二軒茶屋までの録音をしています。

 ただ、叡電で最も聞き応えのある鞍馬線二軒茶屋以遠の区間は、残念ながら当時は平時や並の多客時でも釣掛駆動車が運用に入ることは殆どなく、デオ800系やデオ900形「きらら」といったカルダン駆動・2両固定編成の電車が中心で、デオ700形や当時残存していたデオ600形がこの区間の運用に入るのは、叡電で最も混む年に一度の「鞍馬の火祭」の際に限られていました。

 現在は、デオ720形も全車元京阪のカルダン台車に交換されています。
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制作・著作 Copyright © 1995 Toru Hirose (Stream Express)
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