Stream Express
red.gif
Home > Sound Gallery > JR東日本 > [特集]常磐線快速103系電車
red.gif
特集
常磐線快速103系電車
(成田線を含む)
常磐快速線103系

録音一覧
[参考] 他線区の103系電車の録音は、JR東日本 ページにもあります。


松戸駅停車中の103系
松戸駅に停車中の常磐快速線103系.元山手線,京浜東北線用ATC装備車だったため高運転台仕様となっている.

撮影:TH 2002年7月28日
我孫子駅停車中の103系1000番台車
我孫子駅停車中の103系1000番台。地下鉄直通用として作られたため前面貫通扉を装備。

撮影:TH 2002年2月9日
103系低運転台仕様車
103系オリジナルの「顔」である低運転台仕様車.常磐快速線103系オリジナルの「顔」でもある.後年,衝突事故対策のため強化工事が施され.窓下が鉄板補強されている.

撮影:TH 2002年7月28日 天王台駅付近
このページの記事中にある画像をクリックすると,拡大画像がご覧頂けます.

首都圏5方面最後・史上最強の常磐線103系
 「首都圏5方面」と呼ばれる線区のうちのひとつ、常磐線は5方面路線としては103系最後の運行路線となりました。

※「首都圏5方面」=東海道線,東北・高崎線,中央線,総武線,常磐線

 常磐線には1974年の複々線化と同時に松戸電車区(当時・北マト/現・松戸車両センター・東マト)に投入。色は他線区にはないエメラルドグリーン(青緑1号)が新たに採用され、それまでのモハ72系電車を置換えていき、さらに新しくできた各駅停車線(緩行線)には地下鉄千代田線乗入用の1000番台車が投入されました。

 快速線では最高速度100km/hの高速度運転を行うこととなり、付随車はディスクブレーキを装備。駅間距離の短い線区向けとして開発された103系が高速度線区の常磐線では唸りも高らかに100km/hで爆走するため、深夜早朝であれば1キロ以上離れた所でもよく聞こえる状態でした。
 1000番台車は地上線用とは異なり制御器が多段仕様に、空気部品などが地下鉄用の耐湿形のものになっているほか、抵抗器の冷却は自然通風式となったため、強制風冷の地上線用のものと比べて停車時は私鉄電車並みに静かなのが特徴です。


1000番台地下鉄撤退なるも、快速線で史上最強時代を築く松戸電車区103系

 快速線の103系は、その後電化された千葉局成田線我孫子支線にも進出(後に当線は千葉支社管轄のまま,オール松戸区車運用に)、さらに輸送力増強に伴い増備されていきますが、緩行線用1000番台車は1980年代にアルミ車体チョッパ制御車両の203系に置換えられます。
 緩行線時代の1000番台には冷房がなく、しかも地下鉄仕様のため窓も僅かしか開けられず、それに加えて抵抗制御で発熱が多く夏場は地獄のような熱さでラッシュ時には気分を害する人も続出する状態がしばしありました。

 常磐緩行線に乗り入れる営団地下鉄(当時/帝都高速度交通営団.現在の「東京メトロ」こと東京地下鉄)のチョッパ制御電車6000系よりも103系は電力消費量が多く、電気代の差額分を営団地下鉄に支払ったり(車両使用料に差が設けられていた)、地下鉄トンネル内での蓄熱対策で体質改善を要求されていたため、国鉄時代末期に203系チョッパ制御電車に取り替えらました。
 緩行線の任を解かれた1000番台は一部が西日本地区ローカル用105系に改造され、残りは松戸電車区配置のまま快速線用に転用され冷房化。その後1編成が三鷹電車区に転属となり、1200番台車と共に地下鉄東西線乗入れ用となって、そのまま地下鉄直通用として使命を全うし廃車となっています。

 国鉄時代の1987年度には混雑率279%と当時国内最悪の混雑路線として有名だった常磐線快速ですが、混雑緩和の最終手段として民営化直後に全国103系唯一の15両運転を開始。この時に松戸電車区には6M4T(当時1000番台編成の一部には8M2T編成もあった)の10両編成の基本編成に加えて4M1T(または2M3T)の5両編成の付属編成が配置。編成総延長300メートル,客出入口60箇所,両開きなので扉枚数が計120枚という数字は、同じ常磐線のE501系が出るまでは唯一の記録です。
 これは103系史上最長の記録でもあり、また最高時速100キロということも合わせれば、日本の103系走行路線の中でも常磐線103系は「史上最強の103系」であったとも言えるでしょう。

※ただし、15両運転時はユニット表示灯が5つしかないため10M5T迄となり、1000番台8M2T編成との連結の際は付属編成4M1Tのうちクモハ側ユニットをカットし2M4Tで運転していた。

 さて、常盤線の103系は快速線用も当初は新製配置のみでしたが、増備や老朽車の置換え、さらには緩行線用1000番台車の転用などにより、同じ103系とはいえ製造年次による差異や番台等様々なタイプが存在するようになり、保守には大変苦労しているという話を聞きます。それを物語るものに、運転台右側の編成番号札の裏面には当該編成の詳細が記載されていました。

 15両編成化により10両基本編成のほか5両付属編成も登場。松戸電車区は全国でも最多級の103系配置線区となりましたが、それは結果的に首都圏5方面路線で最後まで103系を運用することとなってしまいました。さらに京浜東北線が209系化されると、かつて103系投入により追われたモハ72系がそうであったように、上野駅に乗入れる最後の103系となってしまったのです。

 そして2001年。JR東日本は新年度事業計画において山手線205系とともに常磐線103系の「一斉取替」を行うと発表。それに合わせて2001年末には常磐線用E231系が落成、松戸電車区に配置。モハ72系を置換えた103系が、今度はE231系に追われる側になってしまったのです。

 2002年の初頭、E231系投入前の最後の冬が最大最後の録音シーズンでした。待っていれば必ず103系が来る最後のシーズンということで地元常磐線の103系に最も注目し、始発電車から終電車まで粘れる地元の強みを生かし、機会あるごとに録音を行ないました。

 E231系の増備はE531系の製造決定や「つくばエクスプレス」開業による需要の見直しもあって計画が変更され、予定よりも少なくなりました。常速線用103系は2004年3月ダイヤ改正で完全撤退となる予定でしたが、20両(基本編成10両x1、付属編成5両x2)が最後まで残りました。
 そして、2006年3月17日。強風が吹き荒れダイヤの乱れる中、所定より約4時間遅れとなりながらも、1033H列車の上野-松戸間の運転をもって一般営業運転を終了しました。

103系諸元
103系の諸元をまとめておきます。
なお、常磐快速線用以外の1200番台車(JR東日本/営団東西線乗入用)、1500番台車(JR九州/福岡市営地下鉄乗入用)も併せて記載しておきます。

全長20m(連結器面間/車体長さ19.5m) 全幅2.8m
最高速度 100km/h
制御器形式 CS20(地上用,1500番台) CS40(超多段バーニヤ式/1000番台,1200番台)
制御方式 抵抗制御方式(直並列組み合せ制御,弱め界磁制御併用)
ブレーキ方式 SELD(応荷重制御付発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ)
台車形式 電動車DT33 付随車TR201,TR212
駆動方式 中空軸並行カルダン方式
主電動機形式 MT55,MT55A(110kw 375V) 歯車比 1:6.07(15:91)
加速度/減速度 2.0/3.5(地上用/MT比1:1の場合) 3.3/3.7(1000番台) 3.0/3.5(1200番台) 2.5〜3.3/3.5(1500番台)




天王台駅付近走行の103系
天王台駅付近を走行の103系.15両編成は大変長い(300m).

撮影:TH 2002年7月28日
天王台駅を出る55H列車
天王台駅付近を走行の103系.55H運用は下り松戸行最終列車で終る.

撮影時は昼間の10両編成運転時のもので,基本編成取手方クハ103形の連結器には自動解結機能と電気連結器を装備していた.
この装備の関係で,基本編成からクモハ103形の連結が無くなった.

撮影:TH 2002年7月28日
夜の取手駅に停車中のモハ102-266
夜の取手駅に停車中のモハ102-266

撮影:TH 2002年1月13日
クモハ103-147
松戸車両センターへ入庫するクモハ103-147以下15両.
ユニットを組むモハ102-313と共に新製配置以来,一貫して松戸区配置であった.

撮影:MT 2006年2月19日
JR東日本 常磐線 103系 モハ102-200
快速2354H列車 取手-上野 2002年1月13日録音 (約42分)

録音・編集・プロデュース/TH 2002年編集作品 2008年リマスタリング・2009年CR版
©TH


 モハ102-200の車内録音です。上野到着後、折返し松戸行き最終電車(北千住で松戸行き各駅停車最終電車に接続)となる55H運行2354H列車での録音です。
 お聞きいただくと、我孫子駅では「本日の成田線は終了」と放送されたり、松戸駅で上り各駅停車最終電車への乗換え案内放送がされたりと、終電車間際の深夜の様子が伺えます。
 筆者は地元なので、この折返し電車が帰宅の最終手段であり「ホリデーパス」で東京近郊のJR線を録音した後地元常磐線に戻り、この2354H列車やその一本後の2430H列車を最後の録音にしていました。

 この時間帯になると後を追いかける特急電車もないため、快速電車は昼間に比べるとおとなしい走りになりますが、2354Hは松戸で上り緩行線(各駅停車線)を走る北千住行き最終電車に接続するため、柏-松戸間は常に制限速度100km/hで走る大爆走列車でした。かつては、この区間を爆走することで途中で北千住行き最終電車を抜いて松戸駅に先行到着していたのですが、後に各駅停車が先に松戸で接続待機するようになり、柏-松戸間を大爆走することはなくなってしまいました。

 モハ102-200は103系の中でも初期型に属するものですが、主電動機は後期型に多く使われている「MT55A'」に載せかえられているようで、MT55Aの特徴である軽めの甲高い唸りになっています。

※MT55Aの冷却扇改良形で、正式な形式はMT55Aのまま。


 また天王台駅に停車し扉が開いた直後、下り貨物列車を牽引するEF81形電気機関車が唸りを上げて通過していきますので、一緒にお楽しみください。
 なお、レールと車輪で発生する「キシミ音」のうち周波数成分の高い部分で一部お聞き苦しい部分がありますことをご了承ください。
 加えて、この録音やモハ102-316等、左側から連結器緩衝器からの音が派手に出ますが、マイクをレール方向に向けていた訳ではなく、座席手前から台車方向へ向けていたものです。さすがに営業車のド真ん中に据える訳にはいかない故、諸事情ご察しいただければと思います。

【モハ102-200】
竣工年月日/1967年1月17日
製造所/日本車両
新製配置区/国鉄東京鉄道管理局 浦和電車区(東ウラ)
転属年月日/1973年4月4日 国鉄東京北鉄道管理局 下十条電車区(北モセ)
転属年月日/1977年8月2日 国鉄東京西鉄道管理局 三鷹電車区(西ミツ)
転属年月日/1981年8月30日 国鉄東京西鉄道管理局 豊田電車区(西トタ)
転属年月日/1983年3月1日 国鉄東京西鉄道管理局 中原電車区(西ナハ)
転属年月日/1993年3月24日 JR東日本東京地域本社 松戸電車区(東マト)
最終配置区/JR東日本東京支社 松戸車両センター(東マト/第31編成)
廃車年月日/2006年5月27日



JR東日本 常磐線 103系 モハ102-295
快速2440H列車 取手-上野 2002年2月24日録音 (約43分)

録音・編集・プロデュース/TH 2002年編集作品 2009年リマスタリングCR版
©TH


 モハ102-200を録音した2354H列車の後続となる、上野行最終電車2440H列車での録音です。
 この列車が上野駅に到着した後、下り最終電車松戸行2455H列車が出ます。2440H列車の上野到着が遅れると2455H列車に上野で乗れなくなる、つまり全部録音できなくなるか上野まで行ったら帰れなくなるので、運転障害等何も無く終りそうな日を狙って録音しました。

 モハ102-295も初期型で、モーターも初期型オリジナルの「MT55」のまま。MT55の特徴である低い唸りになっています。

【モハ102-295】
竣工年月日/1968年2月20日
製造所/日本車両
新製配置区/国鉄東京鉄道管理局 松戸電車区(東マト)
最終配置区/JR東日本東京支社 松戸電車区(当時/東マト/第29編成)
廃車年月日/2002年12月10日
※新製から廃車まで,終生一貫松戸区配置であった.


JR東日本 常磐線 103系 クモハ103-113
快速2354H列車 取手-上野 2002年11月24日録音 (約44分)

録音・編集・プロデュース/TH 2003年編集作品 2009年リマスタリングCR版
©TH


 2354H列車の1本前の、上野行2364H列車での録音です。

 この録音では最後尾15号車になるクモハ103形で、乗務員室の前の中央に堂々マイクを置いての録音をするとどうなるか、という実験目的で録音したものです。

 モハ102-200の記事にもありますように各駅停車が松戸で先行待機するようになってからのものなので、最高速度に達した後は再加速無しの惰性運転の続く、それほど気合の入った走りのものではないのですが、この55H運行は夕方に付属5両編成を増結すると運行終了まで15両編成であり、深夜時間帯の上り電車、しかも付属5両はホーム端になり乗客が多くても2,3人程度しかいない閑散とした状態となり、特に8M2T基本編成と、それへの増結運用時にクモハ側ユニットをカットした4M1T付属編成双方が無くなってからは、付属編成取手方(つまり103系15両編成の取手方最後部)が全て「活きた」クモハ103形でしたので、録音するにはうってつけの環境となっていました。

 それでもって、後続2列車に比べると他線への最終接続などが無いため、必ずしもこの列車に乗らないといけないという乗客も少なく、全長300メートルもある15両編成の最後尾車両の最後尾扉から乗り込んでくる乗客は、取手方にのみ改札口がある三河島駅下車の乗客以外ほぼ皆無、そして客室側乗務員室扉は右側にオフセットされているので中央部に堂々マイクを置けるのも特徴でした。

 クモハ103形の運転席側戸袋部分には座席がないためか、発車時のモーターが立ちあがる時の音が割と良く入る傾向にあります。戸袋窓が主電動機冷却風洞になっているためでもありますが、これは言い換えれば風洞側になっている戸袋のほうからも音が入って来ることでもあり、この録音では右側に主電動機音が偏る結果になりました。2003年初出公開時は、当時の技術的な問題で解決できませんでしたが、2008年リマスタリング・CR版で調整・改善しました。

 なお、冒頭のディーゼルエンジン音は隣の関東鉄道常総線のものです。独特のカラカラ音から、当時は未だDMH-17C車があったようです。

【クモハ103-113】
竣工年月日/1967年6月9日
製造所/汽車会社
新製配置区/国鉄東京鉄道管理局 蒲田電車区(東カマ)
転属年月日/1987年11月26日 JR東日本東京圏運行本部 松戸電車区(東マト)
最終配置区/JR東日本東京支社 松戸電車区(当時/東マト/第27編成)
廃車年月日/2003年2月3日



JR東日本 常磐線 103系 モハ102-316
快速2354H列車 取手-上野 2002年2月10日録音 (約47分)

録音・編集・プロデュース/TH 2006年編集作品 2009年リマスタリングCR版
©TH


これも55H運用の2354H列車での録音です。
お聞きいただくとお判りかと思いますが、この車両はギヤのうなりが結構出ている状態で特徴的だったので、掲載します。

【モハ102-316】
竣工年月日/1968年1月16日
製造所/帝国車両
新製配置区/国鉄東京鉄道管理局 松戸電車区(東マト)
転属年月日/1985年5月16日 国鉄東京西鉄道管理局 豊田電車区(西トタ)
転属年月日/1991年11月3日 JR東日本東京地域本社 浦和電車区(東ウラ)
転属年月日/1993年9月24日 JR東日本東京地域本社 松戸電車区(東マト)
最終配置区/JR東日本東京支社 松戸電車区(当時/東マト/第33編成)
廃車年月日/2004年2月4日


JR東日本 常磐線 103系 クモハ103-147
快速2354H列車 取手-上野 2006年3月16日録音 (約42分)

録音・編集・プロデュース/TH 2008年編集作品 2009年リマスタリングCR版
©TH


 2006年3月16日、最後の終日運用となった日の上り列車最後の録音で、即ち「首都圏103系最後の夜の録音」でもあります。

 前述のクモハ103-113での録音と同様、15両編成最後部15号車のクモハ103形乗務員室前のど真ん中にマイクを据えていますが、これも右側(R側)の戸袋兼主電動機冷却風々洞からのウナリ音が目立ちましたので編集調整してありますが、所によっては若干余韻が残ってしまっています。ご了承ください。

【クモハ103-147】
竣工年月日/1968年3月26日
製造所/近畿車両
新製配置区/国鉄東京鉄道管理局 松戸電車区(東マト)
最終配置区/JR東日本東京支社 松戸車両センター(東マト/第22編成)
廃車年月日/2006年5月10日
※新製配置から廃車まで、終生一貫松戸区配置であった。


JR東日本 常磐線 103系 モハ102-313
常磐線103系上り一般営業最終列車 (932H列車) 柏-上野 2006年3月17日録音 (約43分)

録音・編集・プロデュース/TH 2006年編集作品 2008年リマスタリングCR版
©TH


 2006年3月17日、常磐快速線103系の上り一般営業最終列車(932H)での録音です。
 編成位置は付属編成の14号車でした。

 後述の下り一般営業最終列車1033Hの頒布品CDに、折り返し前のこの列車の録音をボーナストラックとして収録していましたが、直近の頒布から時間が経ったこともあり、ウェブでも公開します。

 当初は録音の予定をしていなかったこの列車ですが、朝方の松戸駅での人身事故に加え、春一番の暴風によりダイヤの乱れが続いていたこともあり、上野で下り1033Hを待たずに緩行線等で向かい、柏から録音したものです。

 駅間等の機外停止を避けるため運転整理が行われていた事もあり、各停車駅で長時間停車していましたので、実際には1時間超の長い録音でしたが、CD収録時の時間の関係もあり編集で割愛しております。

 松戸-北千住間では綾瀬辺り(録音の17分10秒付近)から徐行がかかりノロノロ運転となりまして、荒川鉄橋では強い横風もあり録音にもその様子が入っています。
 同じく南千住停車中にも風の影響を受けている部分がありますが、この日の強風の凄まじさを残しておきたかったので、音量調整のうえ残しました。

 三河島-日暮里間では、日暮里手前で停車してしまっています。車掌氏が車外に出ないように放送していますが(36分20秒付近)、ここは懐かしき国鉄時代末期の順法闘争の際、旧形客車列車が同様に駅手前で停車中に、待ちくたびれた乗客が京成線との交差部にある踏切に近いデッキの扉を開けて「脱出」してしまう場所でもありました。
 若い車掌氏がその事を知っているのかどうかは判りませんが、下り列車接近を理由に車外に出てしまわないよう、念のための放送している様子も収録されています。

上野方台車での録音ですが、ユニット相手方のクモハ103-147(15号車)共々やや静かな落ち着いた音だったのですが、隣接する13号車モハ103-593のほうは盛大な主電動機音を響かせており、上野方台車で録音したこの録音は、モハ103-593の音も入り込んで妙な響きを奏でていました。


JR東日本 常磐線 103系 モハ102-313
常磐線103系下り一般営業最終列車 (1033H列車) 上野-松戸 2006年3月17日録音 (約27分)

録音・編集・プロデュース/TH 2006年編集作品 2008年リマスタリング 2009年CR版
©TH


 これが一般営業での最後の常磐快速線103系列車となる、下り1033H列車での録音です。
 こちらは、取手方台車付近での録音です。

 前述の932Hの上野折り返しの列車ですが、この頃になると規制もだいぶ緩くなり、駅での長時間停車も無く速度も通常通りのようでしたがダイヤは乱れ切っており、所定よりも約3時間遅れての運転でした。

 混乱による混雑且つ一般営業列車であるため、音声の乱れ・お聞き苦しい部分が一部あることをご了承ください。

【モハ102-313】
竣工年月日/1968年3月26日
製造所/近畿車両
新製配置区/国鉄東京鉄道管理局 松戸電車区(東マト)
最終配置区/JR東日本東京支社 松戸車両センター(東マト/第22編成)
廃車年月日/2006年5月10日
※新製配置から廃車まで,終生一貫松戸区配置であった.


JR東日本 成田線 103系 モハ103-749
成田線103系最終運転列車(890M列車) 成田-我孫子 2006年3月15日録音 (約46分)

録音・編集・プロデュース/TH 2006年編集作品 2008年リマスタリング 2009年CR版
©TH


 2006年3月15日の、成田線我孫子支線での103系最終運転列車 (890M)での録音です。この列車をもって、成田線での103系電車運転は終了しています。
 成田線我孫子支線は、国鉄時代は千葉鉄道管理局、後の民営化以後は千葉支社管内と成田線本線と同様「千葉管轄」の路線ですが、国鉄時代最末期に運転担当が松戸運転区に移管、民営化後の1998年3月以降は使用車両も松戸区103系→E231系のみになり、車掌も松戸車掌区担当であるため、実質上異支社管轄路線である「常磐線」の支線という位置付けになっています。

 成田線我孫子支線といえば、沿線学校生徒による乗車マナーが問題となっており、録音するには手強い路線ですが夜間休日ともなれば閑散とした近郊線区と化します。

 単線区間故、編成が分岐器を過ぎるまで加速しないのに加え、あまり飛ばしていないので常磐快速線ほどアグレッシブな走り(?)はしていませんが、成田線最後の103系の記録ということで、お楽しみいただければと思います。
 このモハ103-749は103系の中でも、そして最後の15両の中でも最末期に当る1980年製ということもあり、車内はシート以外ほぼ原型原色を(下記写真のクハ103-715のを更に無塗装化したタイプに相当)、外観も屋根布が残る等、ほぼ原型を保ってい ました。

 それにしてもモハ103-749はユニットカットでもしているんじゃないかという位静かすぎました(制動時の様子から,そうではないことは判りますが)。本来なら整備・機器共に良好なこの状態が保守的には良いのですが、松戸区に残った最後の15両は2日後に録音したモハ102-313と共に、このような電動車が多かったようです。

 なお、この録音も右側から連結器緩衝器からの音が出ますが、マイクをレール方向に向けていた訳ではなく、座席手前から台車方向へ向けていたものです。さすがに営業且つ中間車のド真ん中にマイクを据える訳にはいかない故、諸事情ご察しいただければと思います。

【モハ103-749】
竣工年月日/1980年8月5日
製造所/東急車両製造
新製配置区/国鉄東京西鉄道管理局 豊田電車区(西トタ)
転属年月日/1982年10月14日 国鉄東京西鉄道管理局 中原電車区(西ナハ)
転属年月日/1990年10月9日 JR東日本東京地域本社 松戸電車区(東マト)
最終配置区/JR東日本東京支社 松戸車両センター(東マト/第7編成)
廃車年月日/2006年5月27日



JR東日本 常磐線 103系 モハ102-266
車外録音 取手→上野 2002年1月23日録音 (約45分)

録音・編集・プロデュース/TH 2002年編集作品 2013年法改正対応版
©TH


 モハ102-266の連結面窓部に、スポンジに入れた超小型マイクを挟み仕掛けて車外録音したものです。
 ギヤの唸りが若干ある状態でした。またAU-712形冷房装置搭載タイプで電動発電機(MG)もオリジナルのものを搭載しており、非冷房時代の103系の雰囲気に近いタイプです。
 「ギヤの唸り」は103系の場合、整備が完璧ではない状態なんだそうですが、走行音としては加速・減速時の状態がはっきりと判るので明解な録音ということになるでしょう。地元故、よく利用する路線ですので乗るたびに各車の状態をチェックして、狙って録音したものです。

 なお、この録音の列車は松戸駅手前で一旦停車しています。松戸では特急列車を退避するために2番線に入るのですが、同じく特急列車を松戸駅2番線で退避していた下り普通列車の発車が遅れていたため、一旦停車して待機したものです。

【モハ102-266】
竣工年月日/1967年4月21日
製造所/近畿車両
新製配置区/国鉄東京鉄道管理局 下十条電車区(東モセ)
転属年月日/1986年3月3日 国鉄東京北鉄道管理局 浦和電車区(北ウラ)
転属年月日/1988年2月20日 JR東日本東京圏運行本部 松戸電車区(東マト)
最終配置区/JR東日本東京支社 松戸電車区(当時/東マト/第28編成)
廃車年月日/2002年8月1日



雪の103系 雪の我孫子駅に停車中の成田線運用の松戸区103系付属編成.
運行番号表示器は3桁分しかないので,成田線での列車運用時は列車番号の下3桁のみ表示としている.首都圏で通勤車によるM電運用は当線と中央線高尾以西等であった.

撮影:TH 2002年1月20日
103系運転台 クハ103形運転台.低運転台タイプ.
松戸区103系運転台のユニット表示灯は15両編成運転を期に5ユニット迄表示可能になるよう改良されていた.
これにより,付属編成との連結の際は最大10両の電動車に対応できるようになった.

撮影:TH 2002年2月11日
103系の車内(ほぼ原型) 103系車内(クハ103-715).座席の表地以外は原型原色のタイプ.

撮影:TH 2002年7月26日
103系車内・国鉄特別保全工事タイプ 103系車内(モハ102-1047).国鉄時代に特別保全工事が実施されたタイプ.

撮影:TH 2001年1月20日
103系車内・JR東日本更新工事タイプ 103系車内(モハ102-266).JR東日本の更新工事が実施されたタイプ.

撮影:TH 2002年1月13日
103系台車 DT55 103系電動車用台車DT55.大宮工場(当時)公開時に撮影.整備中でオイルダンパ未装着状態.

撮影:TH 2002年5月25日
モーター,駆動装置 DT55台車に装着されたMT55主電動機と駆動装置.JR大宮工場公開時に撮影

撮影:TH 2002年5月25日
たわみ板継手 中空軸並行カルダン駆動装置独特の「たわみ板継手」.JR大宮工場公開時に撮影

撮影:TH 2002年5月25日

Home > Sound Gallery > JR東日本 > [特集]常磐線快速103系電車

制作・著作 Copyright © 1995 Toru Hirose (Stream Express)
from TOKYO, JAPAN.

画像・録音の著作権者は記事中に表示しています。

本ウェブページサービス上の記事・写真・データ等の無断転載・転写、放送や出版物での無断紹介、複製・再送信、他の電磁媒体等への加工を禁止します。

リンクや転載などについて、詳しくはホームページをご覧ください。