
相模鉄道10000系.
JR東日本E231系をそのままに,相鉄向けのアレンジを施したもの.
相鉄では初のTD駆動となった.
現在はカラーリングが変更されている.
撮影:TH 2002年6月6日 さがみ野駅
(画像調整済) |
かつては「中小私鉄」あるいは「準大手私鉄」とされていた相模鉄道ですが、沿線の開発により乗客が増え続け、1970年代には車長20m・車幅2930mmと、国鉄103系よりも大柄の通勤車を導入し10両編成での運転も開始し、1990年に大手私鉄に「昇格」しています。
その規模は路線長では大手最短の38.1kmで、車両数は2019年現在402両あり、阪神を越え,西鉄に次ぐ規模となっています。
路線は、横浜から海老名を結ぶ「相鉄本線」と、二俣川から湘南台を結ぶ「いずみ野」線、他に旅客営業をしていない「厚木線」の3路線があります。
元来「相模鉄道」を名乗る祖業の路線は、現在のJR相模線(←国鉄相模線)にあたる路線でしたが戦時中に国に買収され、現在の「相鉄本線」「厚木線」は元は「神中鉄道」と呼ばれる別会社の路線でした。
戦中戦後、東急に経営委託された時代もありましたが、1947年に独立。以後電化・複線化、沿線や横浜駅西口の開発を進め、さらに「いずみ野」線の建設・開通と規模を広げていきました。元来「相鉄」であった相模線が、国鉄分割民営化直後まで非電化のまま大赤字路線となったのとは対象的です。
車両面では戦後はモーターを台車中央部に車軸と直角になるように装荷し、シャフト・ ジョイントと直角歯車で駆動する「直角カルダン駆動」で近代化。
他の鉄道では台車装荷モーターが車軸と平行な中空軸平行カルダンやWM継手,TD継手による駆動方法が主流となった現在ですが、相模鉄道では旧5000系電車で直角カルダン駆動を採用して以来、アルミ車体・インバーター制御の時代にあっても直角カルダン駆動を採用し続ける唯一の例となっていました。
しかし、2001年には新造コスト削減のため、JR東日本E231系通勤タイプを相鉄向けにアレンジしたステンレス車体・TD駆動の10000系が登場し、相鉄のアルミ車体・直角カルダン駆動車の増備は日立製の8000系と東急車輛製の9000系が最後となりました。
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