Stream Express

Home > Sound Gallery> 私鉄・公営 その他 > 東北地方・仙台都市圏 > 弘南鉄道

弘南鉄道 弘南鉄道
弘南鉄道の走行音録音です。

大鰐温泉駅停車の1521系
大鰐駅に停車中の1521系1527.大鰐駅はJR大鰐温泉駅に隣接する.
なお,1527のパンタグラフが上がっているが,2Mでは出力過剰なため,当日は1527がクハ代用(Mカット)となった.

撮影:TH 2002年8月31日
主力の7000系
弘南鉄道の主力7000系.元東急の車輌で日本初のオールステンレスカー.大鰐線には日立製の電機品を装備した車輌が配属されている.

撮影:TH 2002年8月30日 大鰐駅

林檎畑を走り抜ける、青森県津軽地方の電車私鉄

 青森県津軽地方、弘前を中心として2路線を運営しているのが弘南鉄道です。JR弘前駅と共同使用している弘前駅から黒石へ向かう「弘南線」は自社により開通。一方の「大鰐線」は元々は別会社の「弘前電気鉄道」がルーツで、弘南鉄道に合併したのは1970年です。

 大鰐線の弘前側ターミナルは、JR弘前駅から離れた市街地の中心地に位置する中央弘前駅となっており、また両線は直接線路が繋がっておらず、生い立ちの違いを見せています。
 また1984年から、旧国鉄の赤字線であった黒石線を移管受入し弘南鉄道黒石線としていましたが、残念ながら1998年に廃止されています。

 車両面では、かつては旧国鉄(旧阪和を含む),東急,西武の車両で占められいましたが、1980年代末期から東急から譲渡された中古ステンレスカーが、さらに1995年には南海から譲渡された1521系が入線、輸送力増強に役立っていましたが、1521系は輸送人員の低迷により定期運用を失い老朽化もあって廃車。朝の6000系快速運用も廃止され、現在、定期運用は7000系のみとなっています。

大鰐線路線図
大鰐線路線図 (2002年8月31日撮影)
(広告部修正済)

■走行音一覧

1521系 | 6000系



大鰐線1521系
津軽大沢駅に留置されている1521系(手前から1524+152).車体の状態は悪かったが,このまま全般検査を受けていた.

撮影:TH 2002年8月31日
(画像修正済)
1521系車内
1521系車内.南海時代と変わらない.
袖仕切りや網棚に掴み棒が無い等,関西地方私鉄に多い造りである.

撮影:TH 2002年8月31日
モハ1524運転台
モハ1524の運転台.

撮影:TH 2002年8月31日

モハ1524台車
モハ1524の台車(KS-60).
空気バネ装備で弘南一の乗り心地であった.

撮影:TH 2002年8月31日

形式銘板
モハ1524の形式銘板.
2002年6月に全般検査を受けたばかりだった.

撮影:TH 2002年8月31日

日立のメーカープレート
モハ1524のメーカープレート.
1959年日立製である.

撮影:TH 2002年8月31日

1521系
旧国鉄モハ63型の命脈を、最後に引き継いだ電車。

 1521系は元をたどれば、南海が戦後旧運輸省より配給割り当てを受けた旧国鉄モハ63型電車がそのルーツです。東武などへはモハ63型がほぼそのまま配給されていましたが、南海へは架線電圧が600Vであったため、仕様や制御器が異なっていました。しかし主電動機は旧国鉄制式の「MT40」がそのまま使用されました。

 1959年から1960年にかけて、MT40主電動機を流用し、新造した20m・4扉車体と空気バネ台車を組み合わせたモハ1521形が登場しました。その後主電動機をMT40に取り替える等をして1521系に編入された車両もありましたが、1500V昇圧後は南海の支線各線で活躍。1995年に南海からは引退しましたが、幸運にもそのうちの8両が弘南鉄道に引き取られます。

 収録当時の2002年現在、MT40主電動機を装備する旅客営業車両は、この弘南鉄道1521系のみとなっており大変貴重な存在でした。ワンマン装備がなく2002年の時点でも予備車となっており、またその活躍の機会も輸送人員の低迷により18mワンマン車で運転されることが殆どとなり、一般ではなかなか乗る機会のない電車となっていました。

 その後ATS設置の対象外となってからは稼働する機会が無くなり、2005年に弘南線所属車も含めて廃車。そして2007年5月に大鰐線の1524+1527が解体処分されてしまいました。

 この録音は、2002年8月に有志により大鰐線で貸切運転されるとのことでお誘いを受け、その際に収録したものです。大変貴重なものであるため貸切運転の好条件を生かし、3つのポイントで計4台の録音機で収録(うち2台は組使用)。かつては各地で聞けた旧形国電と同じその貴重なサウンドを、じっくりお聞き下さい。

Special Thanks to N.K.,To.H. and Konan Railway.

モハ1521型主要諸元
製造年/1959年〜1960年
全長20,725mm(連結器面間) 全幅2,740mm
空車重量 43.0トン
制御方式/抵抗制御 駆動方式/釣掛駆動(歯車比2.56)
主制御器形式/三菱ALM-Nまたは日立MMC-LH-20A
主電動機形式/国鉄制式MT40(定格750V/142kw,870rpm)
台車形式/KS-60
ブレーキ方式/HSC電磁直通ブレーキ


弘南鉄道 大鰐線 1521系 モハ1524 大鰐側台車 車内録音
津軽大沢-中央弘前-大鰐-津軽大沢 2002年8月31日録音(約62分)

録音・編集・プロ デュース/TH 2002年編集作品
©TH


 車内の大鰐側台車をスタンドを使用して直上で録音したものです。
 この録音、実際には西弘前で長時間停車(約6分)していましたが長すぎるので短くなるよう編集しています。

 なお、一部の発車の警笛鳴動の際、その1〜2秒程度前後に極僅かに警笛が聴こえる現象がありますが、これは磁気テープの「転写」によるもので、具体的にはテープの磁性体に記録された強力な磁気エネルギーが、巻取られて重なった部分の磁性体に移ってしまったために起こる現象です。

 この現象は長期間テープが巻取られたままになると起こることがある現象ですが、録音に使ったテープが酸化鉄ベースのノーマルポジションやハイポジジションテープに比べて、純鉄ベースで磁力が強いメタルテープであったことに加え、発車の際は静かな場面だったことで、録音後東京に戻りデジタル化するまでの僅かな時間(3日程度)でこの部分に転写してしまったものです。
 (当時既に貴重なMT40装備車の走行音ということで,この録音にはメタルテープを奢った次第です)

 決してオカルト現象ではなく磁気テープならではの自然現象ですので、この点はご容赦ください。

時代は下って、こうことを説明しないといけない位デジタルな時代になっちゃったんですね...
弘南鉄道 大鰐線 1521系 モハ1524 車外録音
中央弘前-大鰐 2002年8月31日録音(約31分)

録音・編集・プロ デュース/TH 2002年編集作品
©TH


 貸切運転されたモハ1524の連結面窓部に小型マイクを貼付けて車外録音したものです。
 室内から聞こえる釣掛サウンドとは違ってメカの音が直接入ってきます。窓を開けて乗っているような雰囲気をお楽しみ下さい。

 なお、西弘前駅で長時間停車はこの録音でも短く編集させていただきました。ご了承ください。


弘南鉄道 大鰐線 1521系 モハ1524 中央弘前側台車・網棚録音
中央弘前-大鰐 2002年8月31日録音(約30分)

録音・編集・プロ デュース/TH 2002年編集作品
©TH


 車内録音ですが、こちらは中央弘前側台車を網棚から録音したものです。この位置での録音はこの区間だけでしたので、前後の区間分はありません。
 聞き応えも唸りもこちらのほうが派手です。この周辺では唸る際に座席下付近から振動音が大きく、床にスタンドを置いての録音だと目立つ音だったようですが、網棚からの録音では目立たなかったようです。

 なお、西弘前駅で長時間停車はこの録音でも短く編集させていただきました。ご了承ください。

MT40主電動機
MT40型主電動機.
これは東武博物館に静態保存されている電機機関車ED5015に装備さてれいるもの.

撮影:TH 2002年4月3日
MT40型主電動機
MT40型主電動機.
MT40は国鉄や私鉄電車のほか、私鉄の電機機関車では今でも多くが使われている.

撮影:TH 2002年4月3日
「MT40電動機」と「モハ63」、そして私鉄通勤車の大型化。

 国鉄制式電動機「MT40」は、第二次世界大戦以前に製造された「MT30」を基に、軸受にコロ軸受を採用し冷却風取入方式を変更したもの。国鉄の電車用釣掛電動機の最後を飾る名電動機である。

 性能的にはMT30が「定格電圧657V,出力128kW」、MT40は「定格電圧750V,出力142kW」となっているが、定格電圧の違いから出力値が異なるだけで、同一条件では同等である。しかし、冷却風取入方式がそれぞれ異なっており、MT40のほうが通風効果が高いため、やや余裕があるとされている。
 コロ軸受の採用は大戦後の国内ベアリング業界の存続発展策として、その応用範囲の拡大から鉄道車両への使用を要請されたものである。同時期にはMT40電動機のほかに台車軸受にもコロ軸受が採用された新型台車が登場している。

 MT40は戦後混乱期の輸送を支えた「モハ63(後のモハ72系)」に装備され、続いて「湘南電車」モハ80系や横須賀線用モハ70系にギヤ比を高くして採用。大戦後の高度成長期に入るまで量産され、通勤輸送から中長距離列車まで安定した性能を発揮。現在の電車全盛時代の基礎を築いた。

 モハ63は構造を極力簡素化した「戦時設計」仕様車であった。20m4扉切妻車体,規格外の薄い鉄板の使用,内装の簡素化(というより「省略」)など、戦前の優雅な車両に比べると良く言えば実用本位、悪く言えば大変見劣りするものであった。
 戦後も復興によるさらなる需要を受け入れるため続々と製作されたが、コロ軸受を使用したMT40電動機や新型台車等の採用など徐々に戦時設計は改善されたが基本はほぼそのままの状態だった。

 戦後復興で需要の増えた私鉄にも、中型の規格形車両の供給のほか、このモハ63が20m級車両の標準(?)として運輸省から「配給」されることとなった。
 東京周辺の私鉄に配給された車両の多くは国電とほぼ同仕様で入線。その後それらの車両が各社それぞれの更新を受けたが、MT40電動機はそのまま多く使われた。特に東武鉄道はモハ63の配給・入線が多く、モハ63を活用できなかった名鉄からも後に購入したため、私鉄では最も多く使われた。他に東京近郊では小田急や相鉄(共に当時は東急)も配給を受け入れ、西武も配給とは別にモハ63の事故車数両を受け入れて復旧使用している。

 後に東武はこのモハ63を手本に自社設計20m4扉車7800系を164両も量産し車両の大型化に貢献。これを近代化した20m級4扉の後継車8000系の大量増備も、この7800系があってこそのものである。
 この7800系の主電動機にはMT40と同性能で高速回転化改良された日立製・東洋電機製造製のものが採用された。後に8000系同様の車体となる5000系列へと更新され2007年まで健在であった。その走行音は「特集・東武5000系釣掛電車」で多数が聴取可能である。

 小田急や相鉄に渡ったものは少数であったが、これも車両の大型化に貢献し、小田急では2600系以降の、そして相鉄では6000系以降の20m4扉車の導入に繋がった。特に相鉄は当時中小私鉄ながら、モハ63どころか当時の大手私鉄よりも大柄(車幅2930mmで当時在来線日本最大)の新6000系の導入もあり輸送力増強に貢献。後の大手私鉄入り、そしてJR東日本E231系を基にした標準車10000系導入へと繋がっている。
 西武もまたモハ63が契機となり以降は20m級車両(ただし3扉)の導入となり、大量輸送時代への基礎となった。

 一方、関西地方私鉄は軌道発祥の所が多く、軌間の問題や車両規格が独自あるいは狭小ということもあり、モハ63の配給を受けたのは南海電鉄と山陽電鉄だけであった。
 南海のものは架線電圧600Vであったために制御器がオリジナルのモハ63と異なっていた。また関西地方私鉄の見栄であろうか、室内灯具は戦前南海車同様のシャンデリアであった。後に車体と空気バネ台車,制御器等を新製し、それらにMT40を流用させたものが後の1521系となり、弘南鉄道に譲渡されモハ63の命脈を保つ最後の営業用電車となった。
 南海は戦前からある程度大型化していたとはいえ、モハ63は東武と同様に通勤車両の大型化に貢献することとなり、他の関西地方私鉄に比べ戦後の大型化でも先んじたものとなった。モハ63なみの大型車体の6000系(無塗装ステンレス車)、南海線・高野線共通の1000系、現在のJR東日本E231系由来のメーカー標準車体・部品を採用した8000系等の姿を見れば、南海のモハ63導入は先見性があったとも言える。
異様とも言える不合理な「伝統」への執着を持つ阪急と見比べれば、南海の姿勢は大いに評価できるものである。

 山陽電鉄は当時は小型車主流であったが、水害による車両不足等で稼働率が極端に低下。しかし車両を新製するにも戦後の統制による制約があり、思い切ってモハ63の配給を受ける事となった。
 標準軌のため台車周りは軌間1435mm仕様に、また入線を機に大型車対応のための大改良工事が行なわれたが、架線電圧の昇圧もこれに含まれていた。後に神戸高速鉄道を介した他社との直通運転に際し、阪神の車両大型化(車長19m,車幅2800mm)や阪神及び阪急神戸線系統の昇圧のきっかけともなったのは、山陽にあった首都圏私鉄なみの大型車モハ63があってのことである。
 後に車体更新を受けたり、あるいは19m級新製車体に振り替えられたものもあったが、以後の車両は19m級の阪神規格に合わせることとなったため、20m級車両はこのモハ63のみであった。

 なお、MT40主電動機は私鉄の小型電気機関車へも使用されたが、電車用のDT13台車と共に使われたものもあれば、機関車用の台車を新調し装備されたものもある。前者には相模鉄道のED14号があり、後者は東武鉄道のED5010形(上記写真)やED5060形,三岐鉄道ED45形等がある。



弘南6000系
日中大鰐駅で留置される6000系.
朝の快速運用後は,ここで留置されていた.

撮影:TH 2002年8月30日

弘南6000系車内
6000系車内.整理券発行機や運賃箱等ワンマン用設備を除き,東急時代と変わらない.

6000系の車体は旧5000系(雨カエル)ほどではないが,上半分がわずかに上方に傾斜している(下半分は垂直).

撮影:TH 2002年8月31日

6000系
新技術導入を試みたユニークな電車

 6000系は元東京急行電鉄(東急)の旧6000系車両で、1960年から20両製造された車両です。

 車体は外板のみステンレスの「セミステンレス」構造を採用し、東急としては始めて両開き扉となりました。外板のみステンレスとなったのは、当時は未だステンレス鋼の溶接技術が日本では確立されておらず、後に弘南鉄道にも譲渡された旧7000系電車で米国BUDD(バッド)社の技術が導入されてから、となります。
 旧6000系は当時では最先端とされる技術を導入、経済性を重視した設計となっており、既に計画されていた営団地下鉄日比谷線乗入用車両の試作的な意味もあって開発されたものでもありました。そのため試作として2タイプ,後に1タイプ製造されています。

 この旧6000系で導入された技術や試みとして

「全電動車2両1組」電動車を2両1組とし制御装置一式で2両の電動車を制御
「回生ブレーキ」モーターを発電機とし発生した電力を架線に戻す
「1台車1モーター2軸同時駆動」1台のモーターで2軸を同時に駆動し,個数削減を狙った
「空気バネ台車」乗り心地向上を狙う
「ドラムブレーキ」一般的な自動車と同様のブレーキ方式を電車に導入
「両開き扉」ドア幅の拡大と自社での検証のほか営団地下鉄乗入れ規格に準拠

 以上の技術が導入されたほか、最初に製作された車両(2編成8両)は電気機器に東芝及び東洋電機製造の機器が編成毎に導入され、比較検討されました。

 これらの技術のうち「回生ブレーキ」「空気バネ台車」等、いくつかはその後の電車にも導入されて一般的なものとなりましたが、「1台車1モーター2軸同時駆動」は機構上の問題や一般的な「1軸1モーター駆動」によるほうが出力向上になることでその後は採用されず(※)、「ドラムブレーキ」は複雑であったために後年一般的なブレーキ方式に改造され、その後の電車にも採用されませんでした。

※モーター・駆動部を減らす手段として、効率の良いインバータ車全盛の現在は「編成全体の電動車を減らす」という形で導入されています。

 試作として2編成8両が製作されましたが、後に東洋電機の機器を採用しモーター出力を若干上げた3編成12両が追加製造されます。ファンや識者の間では「量産編成」と呼ばれるものですが、先に製作された2編成8両を含めても20両しか作られておらず、またその後旧7000系が大量に製作されたことからも、旧6000系の存在そのものが試作的なものであったと言えるでしょう。

 東急では1984年に一部の車両をVVVF制御の試験車両に改造するものの、1989年まで旧6000系を使用しておりましたが、そのうち「量産編成」2編成と部品確保目的で2両を弘南鉄道が譲り受け、大鰐線で使用を開始。現存する唯一の元東急旧6000系で貴重な存在となっています。

 定期運用は2002年当時は平日朝の快速列車のみで、滅多に乗れる機会のない電車でしたが、2006年10月の快速列車廃止後は定期運用から離脱しています。

Special Thanks to N.K.,To.H. and Konan Railway.


おことわり
「OK Wave」または提携Q&Aサイトからお越しの方へ


残念ですが、ここには東急時代の録音(VVVF試験車含む)はありません。


弘南鉄道 大鰐線 6000系
モハ6008 津軽大沢-中央弘前 & モハ6007 中央弘前-大鰐 2002年8月31日録音 計約44分

録音・編集・プロ デュース/TH 2002年編集作品 2008年リマスタリング版
©TH


 前述の1521系貸切運転の際、弘南鉄道様のご厚意によりまして貸切運転の後、1往復分通常運用に入った時の録音です。
 1台車1モーターのために二段減速歯車となっており、且つ平歯車なので、うなり方が独特です。

[追記]
 モハ6008の津軽大沢-中央弘前間の録音の公開を再開しました(2014.10.16)

Home > Sound Gallery> 私鉄・公営 その他 > 東北地方・仙台都市圏 > 弘南鉄道

制作・著作 Copyright © 1995 Toru Hirose (Stream Express)
from TOKYO, JAPAN.

画像・録音の著作権者は記事中に表示しています。

本ウェブページサービス上の記事・写真・データ等の無断転載・転写、放送や出版物での無断紹介、複製・再送信、他の電磁媒体等への加工を禁止します。

リンクや転載などについて、詳しくはホームページをご覧ください。