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名古屋鉄道 Part6
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パノラマカー 7000系電車

名鉄永遠のフラッグシップトレイン「パノラマカー」 もはや筆者がゴチャゴチャ説明する必要は無いでしょう。泣く子もコレを見せて展望席に乗せれば即座に泣き止む、名鉄史上、いや、1960年代前半における日本の電鉄技術の最高傑作「パノラマカー」7000系。 運転席を上げ展望席を実現しただけではなく、連続全固定側窓・それを実現するための完全空調(全車冷房装備)等、1960年代の日本の電鉄技術の粋を集めた車両でもあります。 7000系の詳細は多くの書籍・ウェブサイトに記されていますので、ここでは簡単に触れる程度に留めますが、足廻りの基本はそれ以前の75kw主電動機・全電動車編成という名鉄初期高性能車を基本としたものを、5500系以降採用されている制御器のパッケージ化(抵抗制御器,界磁制御器,切換器等を1セット化したもの)により集約化がなされていることが特徴です。 制御器(MCMコントローラー)やパッケージ化そのものは米国ジェネラル・エレクトリック社(GE)のを基にしていますが、国内では提携先の東芝の手により供給。パッケージ化コントローラーは半導体制御以前の機械式制御器としては最高水準且つ精巧なものでした。 7000系はその後、低床化仕様・定速度制御機能付きの7500系を含め長きに渡り造られ、1960年代から1970年代前半の名鉄のフラッグシップたる看板車両として本線系1500V区間で広範囲に運用されることになります。 1970年代中頃に始まった第一次オイルショック時の利用客激増時も中間車を中心とした増備で乗り切るものの、以降減る事は無かった利用客を捌くには2扉車のラッシュ時運用がネックになり、慢性的遅延の発生していた7000系4両による普通列車が、東急から購入した3扉車3両編成に置き換わると遅延解消に至ったことまで起き、3扉車6000系の製造を決断したとまで言われています。 それでも、6000系列が出そろうまでは名鉄高性能車中最多数系列であり幅広く使われ、1982年に特急の特別車(座席指定車)用に4両編成の一部に特別整備が行なわれ白帯を加えていますが、「パノラマスーパー」が登場すると白帯車も一般運用に格下げされるようになります。 廃車は、機器流用のため1980年代に中間車数両の廃車を出していますが、それ以外は1990年代に入ってからもほぼ健在で、老朽化による廃車は1990年代も末になった1998年から、以後10年をかけて廃車が進み、2008年9月には6両編成最後の2本が廃車となり4両編成3本12両のみとなりました。 名鉄は最初の7000系老朽廃車を出した1998年に「10年でパノラマカーを淘汰する」と発表したとうり、2008年度中にパノラマカーを全廃するとしていました。アスベスト使用という理由もありますが、初期車両は40年近く使用されており、それは即ち機器の基本設計も40年前のものであり、半導体制御・無接点化の進んだ現在では旧式であり、またパノラマカー独特の「2階運転台」は運転取扱上他車と異ることもあり※、パノラマカー淘汰は名鉄線上における2階運転台車の淘汰とも言えます。 ※階上運転席車である「パノラマカー」用に,停車目標はホーム屋根下や柱を立てて別に設けていた. 2008年6月のダイヤ改正時には6両編成が定期運用から離脱、さらに2008年12月のダイヤ改正により残存4両編成も定期運用(一般営業運転)から離脱。しかし、ここで全廃とはならず、残った7011編成が各種のイベント運転や団体列車に用いられましたが、当初の予定より1年度遅れの 2009年8月30日、事前申込による最後の営業運転を行い48年間の運転に幕を閉じました。 最後に、名鉄運転士のカバンは他社のものとは異り肩掛けヒモが付いています。これはパノラマカーの2階運転台に上る際、両手で梯子を上らなくてはならないため、肩にかける必要があるからです。この運転台に運転士が上る様子もパノラマカー独特のものであり※、沿線の子供達には特別に見えたようです。 ※同様な階上運転台の小田急ロマンスカー(NSE,LSE,HiSE,VSE.長電譲渡車も含む)は、有料特急専用車のため折り返し整備時に客室内へ梯子を下ろし、運転台へ出入りする構造となっている。 (TH)
■名鉄7000系主要諸元(Mc1 モ7000形偶数番) 竣工年月1962年5月 (モ7007〜7010) 製造所 日本車両製造 全長19.715m 全幅2736mm 全高4200mm 自重38.3t 定員 100名(うち座席58名) ※1 電気方式 直流1500V 架空線式 制御器 東芝MC-11C1 (MCM型電動カム軸式パッケージ型) 制動装置 HSC-D (電空併用電磁直通式) 台車 住友FS-335 (空気バネ・ダイレクトマウント・ペデスダル式) 主電動機 東洋電気製造 TDK825/1-A (340V 75kW) x4個 駆動方式 中空軸平行カルダン式 (歯車比78:16=4.88) 冷房装置 天井/TAC-15 (4500kcal) x6基 床置/TAC-18 (6000kcal) x2基 前照灯 固定式150W x2 旋回式150W x2 ※2 コンプレッサ D-3-F (990L x1) ※3 補助電源装置 CLG-326D (60kVA) ※3 定格引張力 1600kg 定格速度 66.5km/h 最高速度 140km/h ※2 最高運転速度 110km/h ※1 名鉄発行「デラックス特急新造車御案内」(1961年)には、座席62,立席38とある。 ※2 名鉄発行「デラックス特急新造車御案内」(1961年)による ※3 Mc1(奇数車)に搭載 |
![]() 7000系6両貫通編成. 撮影:Lu 2001年9月19日 犬山線 犬山遊園駅 |
![]() 犬山線犬山橋を渡る7000系. 併用橋時代の犬山橋では,独特のミュージックホーンを鳴動させる場所のひとつでもあり,最も絵になる光景であった. 併用橋時代の犬山橋は複線間隔が狭く,上下列車の同時進入は禁止となっていた.後の専用橋化の際に解消されている. 撮影:MT 1993年9月16日 (フィルム撮影) |
■名鉄7000系「パノラマカー」 モ7008 各務原線 犬山遊園-新岐阜 2005年2月25日録音 (約33分) 録音/Lu 編集・プロデュース/TH 2008年編集作品 ©Lu/TH 起動時の独特な響き方は1960年代のカルダン車に特徴的なもので、同世代の車両が他社でも姿を消す中、21世紀となってからは貴重なものとなっていました。 各務原線はロングレール化されておらず、且つ枕木も木のままのが殆どであり、音的には1960〜1970年代の雰囲気に近い録音が得られる路線でもあります。ただし、普通列車(各駅停車)のため速度はそれほど高くありません。また電気制動を切っていますが、これは主抵抗器の損傷対策とのことです。 なお、換気扇のような音が入っておりますが、モ7000形偶数車(Mc2)は制御器搭載車で、この音は主抵抗器の強制風冷ファンによるものとのことです。 新岐阜到着時の模様は一部不具合があったため、扉が開くと同時にフェードアウトさせていただきました。ご諒承ください。 |
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名鉄7000系車内. 展望席部分は他の部分よりも床面が下げられている. 扉付近の一部がロングシートになっているほかは,全て転換クロスシート仕様となっている. 撮影の車両は後年行なわれた特別整備施工車で,化粧板交換,座席モケット張替等が行なわれている. 撮影:Lu 1999年10月25日 |
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名鉄7000系の特徴ある前展望部分. 屋根が一段低くなっている部分が階上運転席部分. 展望窓上中央部にあるのは、犬山の成田山名古屋別院大聖寺のお護り.犬山成田山のお護りは名鉄車の「必須装備品」とされている. 撮影:Lu 2006年5月24日 (画像修正済) |
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パノラマカーの運転台に上る運転士. 名鉄運転士の鞄はパノラマカー乗務に備え,肩掛け紐が付いたものとなっている. 撮影:TH 2000年9月30日 名鉄本線 新岐阜駅(現・名鉄岐阜) |
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パノラマカー展望席から,対向列車を望む. 当時は本線の急行にもパノラマカーが多く運用されていた. 撮影:TH 2001年9月19日 名鉄本線 加納-新岐阜間 |
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各務原線新岐阜駅(現・名鉄岐阜駅)に停車中のパノラマカー7000系. 各務原線等では,一部駅のホームが4両編成分しかないため,6両編成車は2両締切扱いになる.画面左側に見える立看板は,その旨の表示である. 画像の車両は方向幕の自動化が行なわれているが,従来の方向板の取り付けも可能な構造となっている. 撮影:Lu 2005年2月25日 各務原線 新岐阜駅 |
5500系電車

![]() 名鉄5500系 三河線のうち山線と呼ばれる知立以北は,2001年より都市型ワンマン運転に対応するため,ホーム安全センサーが設置されている。 撮影:TH 2001年9月16日 三河線(山線) 越戸 (画像調整済) |
■名鉄5500系 モ5512 三河線(海線) 碧南→知立 2001年9月16日録音 (約31分) 録音・編集・プロデュース/TH 2020年編集作品 ©TH |
日本初の冷房一般車でもある、名鉄5500系の録音です。
それまでの5000系や5200系と同様の全電動車構成でありながら、冷房用電源の設置場所を確保するため主制御器・主抵抗器・送風機が一体化・小型化された「MCM形パッケージ型制御装置」を採用しています。
一方で車体はそれまでの5200系を2段窓化し冷房設置による屋根高さを抑えたものとなっており、下回り以外は特段目新しいものではなかったことから名鉄は今までに無い展望車を計画し「パノラマカー」7000系を登場させていますが、その7000系も改良型の「MCM形パッケージ型制御装置」を採用しおり、主電動機出力・歯車比も5500系と同一の仕様となっています(ただし台車は7000系より空気バネ台車となっている)。
冷房装備の「SR車」(5700系以前の2扉クロスシート車)として本線から支線まで幅広く運用され、また7000系との共通性能を活かしパノラマカー7000系の修理修繕の際には7000系電動車ユニットとの混結や先頭車両差し替え等も行われており、後に連結器に電気連結器と空気管を一体化した「名鉄式自動解結装置」※が装備されると他のSR車の増結編成としても活かされます。
※名鉄は密着自動連結器であり、JR等の回り子式密着連結器と異なり空気配管が連結だけで接続できず、電気連結器と一体化した空気管を備えたものとなり、回り子式密着連結器のものよりも複雑で重装備となっている。
なお、密着自動連結器での空気管接続は、国鉄の電気機関車EF66形0番台やコキ10000系で連結器の四隅にBP(ブレーキ管)・MRP(元空気溜管)2系統を同時に接続するものがあったが、名鉄は電磁直通ブレーキ車にはSAP(直通管)もあるため、これらとは異なる実装となった。
2000年までは廃車は無かったものの、その年の9月の「東海豪雨」により新川に留置されていた1編成が冠水し事故廃車となり、翌年2001年からは用途廃車や老朽廃車となる編成が出始め、空港線開となる2005年1月のダイヤ改正の際に残存3編成が全て運用から離脱し廃車となりました。
さて、録音は三河線のうち碧南側の「海線」区間のもので、当時は三河線内各駅停車の本線直通急行が日中にも設定されていた頃のものです。
制御器搭載の偶数車かつ冷房使用期間の録音で、それ故に制御器空冷ファン動作音に加えて冷房動作音もありましたので長く手を付けていなかったものでしたが、どちらも5500系を象徴する音ですので、そのままにしておきます。
それまでの5000系や5200系と同様の全電動車構成でありながら、冷房用電源の設置場所を確保するため主制御器・主抵抗器・送風機が一体化・小型化された「MCM形パッケージ型制御装置」を採用しています。
一方で車体はそれまでの5200系を2段窓化し冷房設置による屋根高さを抑えたものとなっており、下回り以外は特段目新しいものではなかったことから名鉄は今までに無い展望車を計画し「パノラマカー」7000系を登場させていますが、その7000系も改良型の「MCM形パッケージ型制御装置」を採用しおり、主電動機出力・歯車比も5500系と同一の仕様となっています(ただし台車は7000系より空気バネ台車となっている)。
冷房装備の「SR車」(5700系以前の2扉クロスシート車)として本線から支線まで幅広く運用され、また7000系との共通性能を活かしパノラマカー7000系の修理修繕の際には7000系電動車ユニットとの混結や先頭車両差し替え等も行われており、後に連結器に電気連結器と空気管を一体化した「名鉄式自動解結装置」※が装備されると他のSR車の増結編成としても活かされます。
※名鉄は密着自動連結器であり、JR等の回り子式密着連結器と異なり空気配管が連結だけで接続できず、電気連結器と一体化した空気管を備えたものとなり、回り子式密着連結器のものよりも複雑で重装備となっている。
なお、密着自動連結器での空気管接続は、国鉄の電気機関車EF66形0番台やコキ10000系で連結器の四隅にBP(ブレーキ管)・MRP(元空気溜管)2系統を同時に接続するものがあったが、名鉄は電磁直通ブレーキ車にはSAP(直通管)もあるため、これらとは異なる実装となった。
2000年までは廃車は無かったものの、その年の9月の「東海豪雨」により新川に留置されていた1編成が冠水し事故廃車となり、翌年2001年からは用途廃車や老朽廃車となる編成が出始め、空港線開となる2005年1月のダイヤ改正の際に残存3編成が全て運用から離脱し廃車となりました。
さて、録音は三河線のうち碧南側の「海線」区間のもので、当時は三河線内各駅停車の本線直通急行が日中にも設定されていた頃のものです。
制御器搭載の偶数車かつ冷房使用期間の録音で、それ故に制御器空冷ファン動作音に加えて冷房動作音もありましたので長く手を付けていなかったものでしたが、どちらも5500系を象徴する音ですので、そのままにしておきます。
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