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パノラマカー 名古屋鉄道 (名鉄)
名鉄の走行音録音です

1999年春から2002年にかけて、名鉄全線乗り放題の切符を利用して名鉄や豊鉄の走行音の録音を続けました。
1999 年3月限りで廃止となった美濃町線新関-美濃間,2001年9月に廃止となった谷汲線,2005年3月に廃止となった岐阜地区600V線区等での貴重なオールドタイマー(3400形や510形,750形)の走行音、そして瀬戸線や渥美線などの釣掛車走行音の録音などを公開しています。

Part1(このページ)
モ510形電車(岐阜市内線・揖斐線直通、谷汲線、谷汲線直通)
美濃町線モ590形電車 新関-美濃
瀬戸線6750系電車

Part2
揖斐・谷汲線モ750形電車
揖斐線モ780形電車
犬山・各務原線3300形電車(犬山-犬山橋-新岐阜)
岐阜市内線モ570形電車

Part3
美濃町線モ590形(591号非冷房車時代/徹明町-関)
美濃町線モ600形(606号非ワンマン車時代/新岐阜-関)
美濃町線モ870形(874号/新岐阜-新関)

Part4
モ3400形「いもむし」(広見線,小牧線)
築港線モ3300形電車

Part5
非電化区間用気動車(三河線,八百津線/キハ20形,キハ30形)
「特急北アルプス」キハ8500形気動車

Part6
パノラマカー 7000系
三河線(海線) 5500系


モ510形電車

モ510形/黒野駅
黒野駅に停車中のモ510形.

撮影:TH 2001年3月30日
(画像修正済)
モ512号車内
モ512号車内.
二段の天井形状は「セミダブルルーフ」とよばれる,20世紀初頭の電車独特の形状.

撮影:TH 2000年9月30日
(画像修正済)
モ513車内
モ513号車内.
戦時中に被災し復旧の際、シングルルーフ化されている.

撮影:TH 2001年3月30日
(画像修正済)
ブリル27-MCB-1類似台車
モ512号のブリル27-MCB-1類似台車.

撮影:TH 2001年9月19日
岐阜県内の保存場所にて

正面5枚窓と楕円窓の「モダニズム」電車

 モ510形電車は1926年、美濃町線の前身である「美濃電気軌道」時代に作られ、前頭部は大きな曲線に5枚の窓、さらに戸袋窓が楕円形という当時流行のスタイルを21世紀でも維持していました。
 2003年3月の岐阜地区600V線区廃止時まで、日本の鉄道において登場当時のオリジナル車体と台車を維持した一般営業用電車として最古の車両でもありました。

 第二次世界大戦後も暫くは美濃町線用となっていましたが、1961年に、512〜515の4両が連結運転用に改造。この時に連結器やブレーキのSME化、514と515はパンタグラフ化と主電動機4個化、制御機も直接式ながら大容量のものに交換し他車の牽引を可能にしています。
 そして、1967年12月より揖斐線から岐阜市内線への直通急行が運転されることとなり、高床式で折畳みステップを持ったモ510形及びモ520形(既に廃車)がこれに抜擢、座席を「2+1」形の転換クロスシートに取替え、車体は赤と白の塗装となりました。(一時赤一色になり、後に赤+白に復活)
 さらに1968年頃より制御器をHL式に、511〜513の主電動機4個化といった改造のほか、1970年には主電動機取替や歯車比変更による性能向上工事を受けています。

※モ520形は連結運転の際は当初はトレーラーとして牽引され、後にHL制御器を付け制御車として付け替えを不要に。また、510形HL化の前も510形2個モーター車(512,513)はトレーラーとして牽引されていた。

 長らく揖斐線直通急行用として君臨、一時は「生きた化石」とまで言われることもありましたが、1997年に登場したモ780形の増備が進むと完全に予備車となり3両を残し廃車。さらに2000年10月にモ512号が廃車(→岐阜県内で静態保存)となり、2005年3月の名鉄600V線区全廃により、モ513号,モ514号もその任務を解かれることとなりました。

モ510形諸元
製造年/1926年 製造所/日本車両
全長/13.3m 全幅/2.2m 全高/4.0m
重量/18.2t 定員/74人(座席27人)
制御器/ウェスチングハウス(WH) HL-480F(抵抗制御・間接非自動進段)
主電動機/東洋電機 TDK-516A(63.4kW) x4個 ※後年は各車常時2個のみ使用
駆動方式/釣掛式 歯車比/2.65(61/23)
台車形式/ブリル 27-MCB-1類似 (日本車両製)
ブレーキ方式/自動空気ブレーキ(SME)
パンタグラフ/PT52-J

TDK-516A主電動機について
英国イングリッシュ・エレクトリック社の主電動機「DK-31SN」のスケッチ生産品。
名鉄のみに存在。他に出力60kWの「TDK-516-E」がモ600形に使用されている。

ブリル27-MCB系台車について
 20世紀初頭にかけて、私鉄電車に多く使われた米国J.G.Brill車製台車。
 数多くの特徴的な機構を備えている。台車枠は型鍛造による成形で継ぎ目の無い組織的欠陥の少ない頑丈な構造となっている。
 枕バネ部に動力伝達用リンク機構を備え、さらに枕バネの補助にコイルバネを直列に用いることで軸バネと合わせて3連のバネ系を装備し振動を緩和。乗り心地はイコライザ式台車とは思えない柔らかくフワフワした独特の感触がある。
 これら頑丈かつ3連のバネ系の使用で当時線路状態の悪かった日本の私鉄に適していたため、多く輸入されるようになった。
 一部の国産製造所でもコピー品が作られ、モ510形のそれは日本車両の手によるコピー品とされている。しかし、特許や鍛造技術の問題があり、完全な国産化はされなかった。

 米国では鉄道の衰退によって保存車以外では見る事は無いが、日本では20世紀末まで各地の私鉄で散見されていた。21世紀に入った2001年以降は名鉄モ510形(513,514)と琴電28号,335号,福井鉄道のモハ141-2号が使うのみであったが、電動車用として最後に残った福井鉄道モハ141-2が2006年10月に、そして付随車用最後の琴電28号が2007年7月に廃車となり、遂に営業用車での使用は無くなった。
(事業用車でも使用が無い模様。継続調査中)

 ちなみに各地に保存されている古典車両に装備されている例があり、今でもその姿を見ることができるが、特に東武博物館に静態保存されているデハ5号は柵等が無く実物を目前で詳しく見ることができる貴重な場である。また、阪急電鉄正雀工場に100系(P-6)が使用していたものが屋外展示されており工場公開時に見る事が出来るが、この台車は両抱きレーキに改造された珍しいものである。
 また、仮台車として各地の事業者工場内で使われている例があるようだ。


モ514+513/黒野駅
黒野駅を発車するモ514号+モ513号.
この日は谷汲山命日による多客対応のため,定期のモ750形が2両連結運転,臨時列車がモ510形2両連結で運転されていた.
画像は「谷汲号」後の黒野12:15発のもの.

撮影:TH 2001年9月18日
510形運用告知
黒野駅構内で掲出された,2001年9月18日当日のモ510形運用時刻.
谷汲号は新岐阜(岐)10:26発→黒野(黒)11:07着/11時15発→谷汲着11:39のスジである.

これだけまとまって谷汲線で510形が運転されるのは、廃止前ではこれが最後だったようである.

撮影:TH 2001年9月18日
新岐阜駅前の様子。「谷汲号」乗車待ちの列。
新岐阜駅前電停の「谷汲号」乗車待ちの行列.「谷汲山命日」と重なり,この状態に.
後さらに増え,510形車内は超満員状態となった.

撮影:TH 2001年9月18日
(画像修正済)

名古屋鉄道 岐阜市内線・谷汲線 急行「谷汲号」モ510形 モ513
新岐阜駅前-谷汲 2001年9月18日録音 (約66分)

録音・編集・プロデュース/TH 2008年編集作品
(C)TH


 2001年9月18日に市内線・谷汲線直通で運転された「谷汲号」での録音です。
 谷汲線等廃止が迫り、その惜別企画として名鉄各線では「谷汲号」(本線・国府→新岐阜/市内線・谷汲線)のほか、週末を中心に「お千代保稲荷号」「蘇水湖号」等のリバイバルトレインが運転されました(といっても、定期列車にそれぞれ列車名の入ったサボを付けただけなんですが)。

 当日は火曜日で、リバイバルトレインは「谷汲号」のみ。平日の中途半端な日のように思えますが、毎月18日は谷汲村の谷汲山華厳寺の「命日」であり、多くの参拝客が訪れるため、谷汲線も増発運転等が行なわれます。それでも普段は岐阜から谷汲まで直通する列車は無く、この日のリバイバルトレイン「谷汲号」で久しぶりの直通運転となったものです。
 もちろん車両はモ510形。他の市内線直通対応車では谷汲線には入れませんので必然的に車種限定列車となりました。

 画像や録音を見聞きいただければお判りですが、車内は超満員状態。忠節までは割と順調でしたが、忠節発車後、急行電車は通過するはずの近ノ島駅で過負荷と思しき停電停車、その後は遅れ回復のためにトップスピードまで引っ張り、谷汲線内に入っても対向列車が750形2連のため谷汲線の電圧降下が激しく、コンプレッサは力無く今にも止まりそうな音を出すわ、坂では乗客満載でスピードが出ず登山電車のような様相と化す等、当日は乗客のみならず乗客満載な510形の老体にも酷な状態でした。

 この混雑ですから普通に録音出来る訳ではなく、マイクの置き場所は自分の座席足元か網棚に限られてしまうので、結局足元マイクと網棚放置セットの2元録音で対応。この録音は運良く台車上座席を確保し足元にマイクを置いての録音です。その分、駆動音等が盛大に入っていますが、この録音のモ513号岐阜方台車のは特に盛大なようでした。
 あと、あまりの混雑で気が滅入ってしまうためか停車中以外は、それほど会話の多い録音ではなかったのが幸いです。

 音源には「バスン・バスン」とレベルオーバー気味なアナログテープ録音ならではの箇所があり※、酷い箇所は編集でカットしてはいますが、場面の都合等で残した部分があります。
 また、十分な空間的余裕の無い中での録音でバランスの良くない録音だったこともあり、2008年11月リマスタリング版では周波数帯4分割バランス調整を施しましたが、定位重視で全体を若干センター寄りに調整させていただいております。
 いずれも混雑の中で録音したこともあり、ご容赦いただければと思います。

※当日になって本務機のウォークマン・プロフェッショナル(WM-D6C)が故障、予備のウォークマン・プロフェッショナルWM-D3に代えたのですが、このモデルはメタルテープ非対応機ということもあり過入力には強くなかったようです。以後気を付けてますが。
過入力の場合アナログテープは飽和しながら歪むので、このような具合になります。アナログテープ故の録音結果とも言えます。


 なお、市内線区間等の長時間停車箇所は、そのままでは長すぎて退屈してしまい録音番組に適さなくなるので、一部カットさせていただきました。実際の所用時間よりも短くなっていますので、ご了承ください。

モ512/黒野駅
モ512号.
現在は廃車され岐阜県内にて静態保存されている.

撮影:TH 2000年9月30日
新岐阜駅前電停に停車中のモ513
新岐阜駅前に停車中のモ513.
名鉄の岐阜市内線には安全島付の安全地帯がなく,このように舗装面から直接乗りこむ.
モ510形の路面用ステップと特徴ある楕円窓がよくわかる.

撮影:Lu 1999年3月21日
(画像修正済)
モ512の検査票
モ512号の定期検査票.

撮影:TH 2000年10月1日

名古屋鉄道 岐阜市内線・揖斐線 モ510形 モ512
普通 新岐阜駅前-黒野 1999年3月21日録音 (約41分)

録音・編集・プロデュース/TH 収録協力/Lu
2004年編集作品 2008年リマスタリング版
(C)TH


 収録前日の3月20日、新岐阜駅近くの電車通りに面しているファストフード店で休憩していたところ、突如屋根上にひとつ光るヘッドライトが目に入り、しかも570形よりも高い位置にあると思ったら正面五枚窓のモ510がやってきまして、即座にドリンク類を飲み干しハンバーガーは胃に押し込み、岐阜駅前電停まで走って待ち構え乗車、この日はスケジュールの関係で美濃北方まで録音したのですが、翌3月21日に再度黒野まで録音したものです。

 実は前日の20日の録音で、特に路面区間で音が大きいのではないかと思い、レベルを下げて録音したのですが、実際には揖斐線内のほうが盛大で、前日の結果から録音はレベルを上げて、とりあえず録音は成功したのですが・・前日よりもお客さんが多く、また何故か「アホウドリ」と騒ぐ子供が・・。さらにその子供は放送禁止用語も言う始末。
 旧公開版ではコーデックの性能限界で結果的にマスクされるため編集の手を抜けましたが、CD頒布やコーデックの性能が上がった今ではそういう訳にはいかず、2004年編集版はオリジナルテープから再度デジタルへダビングし、それを編集。旧公開版では削除できなかった放送禁止用語を何とか削除。「アホウドリ」も削除できるものは削除しました。
 さらに2008年リマスタリング版では、レコーディング・ウォークマン特有の低域のノイズの低減や左右のバランス調整等を行い改善しました。

 なお路面区間の岐阜駅前・新岐阜駅前-黒野間については、長い時間停車していた場面もありましたので作品として聞きやすいようカットさせていただきました。実際の所要時間よりも短くなっておりますことをご了承ください。

モ513/黒野駅
黒野駅停車中のモ513号.
モ750形臨時運用のため,代替で谷汲線運用に入った時のもの.

撮影:TH 2001年7月1日
(画像修正済)
510形運用告知
黒野駅構内の詰所前に掲出された、2001年7月1日当日のモ510形運用時刻。

撮影:TH 20001年7月1日
谷汲駅停車中のモ510形
谷汲駅に停車中のモ514とモ513.

撮影:TH 2001年7月1日
(画像調整済)

名古屋鉄道 谷汲線 モ510形 モ513
普通 黒野-谷汲(往復) 2001年7月1日録音 (約48分)

録音・編集・プロデュース/TH
(C)TH


 2001年7月に揖斐線で運転された「750形3両運転」(揖斐線 黒野-忠節)の際に、代わりに谷汲線で運転されたモ510形の録音です。

 普段は谷汲線や揖斐線末端区間で運用されていた750形3両ですが、この「3両運転」のために3両全てがその運用に出払ってしまったため、揖斐線末端区間にはモ780形1両が、谷汲線にはモ510形2両が代替で通常運用に入りました。
 この日の「主役」は750形の3両ではあるものの谷汲線には他に510形以外に入線できる車両が無いことから、この谷汲線の510 形も「裏の主役」として注目され駅構内の詰所の前にはモ510形の運転時刻が掲出されたりしていました。
 筆者もこの時点では「谷汲線のモ510形」を収録していなかったこと、また750形の3両運転が終了するまで510形が谷汲線運用に必ず入るという絶好の機会であったため、750形3両運転と組み合わせて収録したものです。

※ちなみに750形3両運転のほうは最後の一往復で録音をしたものの、乗客が多く混雑しているところに全国規模の鉄道趣味団体地元支部により1両が弁当持込の宴会車両として貸切車となり、一般客は残り2両に押し込められるという散々かつハタ迷惑な状態となり、残念ながら公開できる状態ではありません。

 当日は行楽シーズンに入っていた事もあり鉄道ファンの他に谷汲山へ行く行楽客も多く、収録後の折り返し黒野発の列車は行楽客で超満員の状態でしたが、録音のほうはギリギリ混雑前の列車で収録出来たものです。収録は混雑時の機動性のことも考え、また夏場で窓全開ということもあり外から入る音も一緒に狙えるよう座席に座って手持ちマイクによる録音としました。
 駆動音が目立たなくなるものの(それでも駆動音の目立つモ513号で収録しましたが)、軽快に短尺レール上を「カタコン、カタコン」と走る賑やかな様子がお楽しみいただけます。

モ512とモ754/黒野駅
黒野駅でのモ512とモ754.
両車は2005年3月の岐阜地区600V線区全廃を待たずに廃車となってしまった.

撮影:TH 2000年10月1日
モ510型最後の3両運転/黒野駅
最後の3両運転で忠節駅鉄道ホームに停車中のモ512ほか.

撮影:TH 2000年10月1日
優雅な5枚窓/モ514/黒野駅
曲線が織り成す優雅な5枚窓が特徴のモ510型.
画像は「最後の3両運転」の時のもの.

撮影:TH 2000年10月1日
モ512側面
モ512の側面.
戸袋の楕円窓やリベットの多いそれは20世紀初頭の電車の姿を今に伝える貴重なものであった。

撮影:TH 2001年9月19日
モ510形最後の3両運転/黒野駅
最後の3両運転のため入換中のモ510形.

撮影:TH 2000年10月1日
モ514+モ513/新岐阜駅前電停
新岐阜駅前電停に停車中のモ514+モ513.
末期は事実上2両固定連結で使用されていた.

撮影:TH 2001年3月30日
(画像修正済)
モ513号の車内
モ513号の車内.
末期に残った3両のうち.このモ513号のみ車内の屋根が「シングルルーフ」になっている.

撮影:TH 2001年3月30日
(画像修正済)
512号の運転台
モ512号の運転台(新岐阜方).
米国ウェスチングハウス車製のHLコントローラが使用されていた.
ブレーキ弁の黄色いカバーは使用していない場合に掛けられるもので,名鉄独特のもの.

撮影:TH 2000年10月1日


美濃町線モ590形電車 新関-美濃
(99年3月廃止区間)

名鉄美濃町線モ593(美濃)
写真/美濃駅停車中のモ590形

撮影:Lu 1999年3月21日
(画像調整済)
名鉄美濃町線モ591(美濃)
98年夏の美濃駅

撮影:Lu 1998年9月30日
(画像調整済)
美濃町線 新関-下有知
美濃町線はこのように道路の横をよく走っていた。

撮影:Lu 1998年9月30日
美濃町線 新関-下有知
(画像修正済)
 1999年3月で廃止された美濃町線の新関-美濃間の、廃止直前の録音です。
 収録したその日は廃止を惜しむ老若男女が集まって、普段ではないであろう賑やかな混雑ぶりでした。
この録音はその賑やかな車内を前方から録音したもので、マスコンの操作音のほか土地訛りのある乗客の声も所々に聞こえてきます。編集は最低限にしてそのまま残しておきました。

 美濃行きは緩やかな上り坂を走るためモーターの音も重々しく、帰りの新関行きはピッチの早いジョイント音とともに軽快に駆け下っていきます。
 あいにくの雨模様でしたが、線路が水溜まりに漬かっている中を走っていく光景や上下左右に揺れまくった走りは十何年前にタイムスリップしたかのような感じでした。

※590型について、及び590型のその他の録音はこちらもご覧ください。


名古屋鉄道 美濃町線 モ590形 モ593
普通1581列車・1580列車 新関-美濃(往復) 1999年3月21日録音 (約33分)

録音・編集・プロデュース/TH
(C)TH


 1999年当時の編集データを捜し出し、再公開しました。
 音質に難があり軽く調整していますが、本格的なマスタリング作業を施したものではありません。ご了承ください。

 590形のその後ですが、591,592が冷房化されたものの、593は非冷房のまま2005年の廃止を迎え、台車,主電動機が冷房化された2両と共に土佐電気鉄道へ譲渡。残った車体は廃車発生品の台車と組み合わされ、岐阜県内で静態保存されているとのことです。


瀬戸線6750系電車
名鉄瀬戸線モ6754(尾張瀬戸)
写真/尾張瀬戸駅に停車中の6750系電車

撮影:Lu 1999年3月20日
(画像調整済)
名鉄電気機関車376号(尾張瀬戸)
電気機関車 デキ376号
愛知電機鉄道から引き継いだもので,瀬戸線に転じた後,2007年まで現役であった.
米国ボールドウィン製を基に,日本車両で製造されたスケッチ生産品である.

撮影:Lu 1999年3月20日
尾張瀬戸駅
(画像調整済)
 名鉄では唯一本線と線路が繋がっていない瀬戸線ですが、元は瀬戸電気鉄道というまったくの別会社でしたので無理もありません。
 その昔は名古屋城のお堀を走るノンビリとした風情のある路線でしたが、70年代後半に都心の栄町に地下新線を建設し都心への乗り入れが開始されてからは近代的な路線となりました。

 6750系電車は、かつての特急車の台車や機器を流用して1990年に登場した、大手私鉄としては最後の釣掛式電車の車体更新車です。さすがに90年代に入ってからのものですので車体デザインに加え自動放送装置も備えた「今時の電車」ですが、走り出せば昔の電車そのままの轟音で街を駆け抜けていきます。

 6750系は、そのスマートな見かけによらずかなり大きい音を出して走ります。
 今時の自動放送と豪快な釣掛式サウンドの絶妙なミスマッチをお楽しみください。


名古屋鉄道 瀬戸線 6750系 モ6754
急行1712列車 尾張瀬戸-栄町 1999年3月20日録音 (約48分)

録音・編集・プロデュース/TH
(C)TH


 1999年当時の編集データを捜し出し、再公開しました。
 音質に難があり軽く調整していますが本格的な作業は施していません。ご了承ください。

 6750系は新製当初カルダン駆動化を見越して設計されていたようですが、時代は低コスト標準設計車時代となり、また尾張旭に新設された検車区は4000系ステンレス車による置き換えを前提として車体塗装工場を廃したこともあり、カルダン化改造や譲渡もされることなく2010年までに全6編成のうち4編成が廃車処分されています。

 そして6750系2次車編成も2011年2月20日にさよなら運転を行ない、残る1次車も2011年3月をもって引退。この時点で大手私鉄の1067mm軌間以上では釣掛駆動車が完全に消滅しました。※

※当時は762mm軌間の近鉄内部・八王子線用に近鉄260系があり、空間的制約から釣掛駆動車となっているが、2015年4月に内部・八王子線が「四日市あすなろう鉄道」に移管したことにより、この時点をもって大手私鉄から釣掛駆動車が消滅した。

 主電動機は名鉄釣掛電動機標準品のTDK-528系ですが、駅間距離が短い瀬戸線を考慮してか、本線系よりも歯車比が高くなっています(3.21→3.71)。

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制作・著作 Copyright © 1995 Toru Hirose (Stream Express)
from TOKYO, JAPAN.

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